53歳になりました。
亡くなった父親の年を越し、どんな思いで世を去ったのかと改めて思います。
唐突ですが、53と言えば素数です。
素数とは「1と自分自身以外に正の約数を持たない自然数」と定義されるそうです。
「年齢が素数であることに何の意味があるのか?」と聞かれても、
「いや、別に…」としか答えられませんが、何年かに一度巡ってくる特別な年、
と勝手に解釈しています。
53に11を(いずれも素数です)足すと64。
横山秀夫の小説「64(ロクヨン)」がNHKでドラマ化されました。
早速Amazonでポチリ。読んでから観る派なんです。
娘の家出、未解決の誘拐事件、警察内部の対立、
導入部は何だか良くわからないまま進みます。
(このモヤモヤの原因は、2回読んだら気付きました)
それでもゴリゴリと音を立てて削り合うようなセリフのやり取りは、
さすがの迫力。納得の横山秀夫ワールドです。
上巻を読み終えると即座に下巻をポチリ。
後半は、怒涛の展開・感嘆の収束で、ため息が出た読後感でした。
この小説をどうやってドラマ化するのだろう?できるのか?と
思いながらドラマ第1話を観ました。(必ず録画してから観ます)
原作を読んでいる私でも、うーん…つかみにくい。
初見の人達はついて来られないのではないかと心配してしまいます。
「これは!」と思い、また原作を読み直すと、
見逃していた描写や、作者の意図する伏線に気付いたりしました。
そしてまたドラマも観直し…これは原作はもちろんのこと、
ドラマも出色の出来ではないでしょうか?
まだ第3話までしか観ていないんですけど。
横山秀夫氏は、群馬県の上毛新聞社に12年勤務した後、作家に転身しました。
「64」も含む、一連の「D県警シリーズ」の舞台は架空の県・都市ですが、
北関東、特に群馬県の雰囲気が色濃く描写されています。
ドラマのロケ地も主に群馬県だったそうで、遠くに映る山並みや
住宅街の一角など、既視感のある背景があちこちにありました。
群馬県民としては、本筋とは別の楽しみの一つです。
先週で放送は終了しましたが、再放送は間違いなくあるでしょうから、
是非録画をして観ることをおすすめします。
「観る」も「読む」も両方でも、お好きにどうぞ。
横山秀夫・64好きとしては、http://hon.bunshun.jp/sp/64も楽しめました。
春の名胡桃城祉。お気に入りの場所です。