スマイル歯科ブログ

アーカイブ: 2010年 May

甲羅

アップをサボっていて、5月もあとわずか。

「蟹は甲羅を見て穴を掘る」
いつのことだったか忘れましたが、父方の叔父から教えてもらった諺です。

「これはお前の爺ちゃんがしょっちゅう言ってた諺だ。
人は自分の器量を見極めなけりゃいけない。自分はどのくらいの大きさなのか?
小さい穴を掘ったら入れない。大きく掘ればガバガバになっちまう。
自分に合った穴を掘れるかどうか、自分の器量・身の丈を見極めることが大事なんだ。」

叔父がいつも聞かされていたのであれば、私の父親も同じだったと思いますが、
私の二十歳前に亡くなってしまったので、話すチャンスがなかったのでしょう。
私には、その爺ちゃんの思い出は全くなく、人となりを聞かされたこともありません。
また父親から人生訓らしき話を聞いた記憶がなかったので、
「蟹は甲羅を…」の話を聞いた時は、「世代を超えた」人生の大先輩から、
大切なことを教えてもらえて、何だか嬉しかったことを覚えています。

甲羅を大きく見せていても、穴を掘ってみれば本当の大きさがわかってしまう。
その人が暮らす世界での存在の大きさを示しているのでしょう。

広辞苑を引いてみると、
「蟹は甲羅に似せて穴を掘る 人は自分の分相応の考えや行いをするものだの意」
爺ちゃんの諺とは似ているようで少し違うような…
広辞苑は「人は(自然と)分相応の考えや行いをするもの」
爺ちゃんは「人は(見極めた)分相応の考えや行いをすべき」

爺ちゃんの方がきっぱりしていて、私は好きです。難しいことですが。
こうやってブログに書いてみると、改めて胸に刻み込まれた気がします。